とある東大生の脳内をのぞく

こういうこと考えてる東大生もいるんだなあ

小銭を減らしてお金を貯める方法

 

 

「小銭は金ではない」

 

 

予備校時代の友達が言い放った伝説の名言迷言である。

 

 

厳密には小銭もお金に分類されるものではあるのだが、ここでの意味は「小銭は使いやすすぎて消えるのが一瞬だから、お金とはみなさない」ということである。

 

たしかにコンビニでお菓子を買おうとしたとき、財布の中に100円玉が2枚あるのと1万円札が1枚しかないのでは、後者のほうが「いや我慢しようかな」という思いに至りやすいだろう。

 

この例をもとにすると「小銭が財布にたくさんあると、そうでない場合に比べてお金がなくなるのが早い」ということが予想できる。

 

例えば財布の中に1万円あるとき、それが大量の小銭である場合と1万円札1枚である場合では、圧倒的に後者のほうがお金の減り方は遅いだろう。そもそも前者の場合は小銭が多すぎてどの硬貨が何枚あるか把握できず、残金がいくらであるかがよく分からないため、自分の金づかいの制御が難しい。

しかもなんとなく小銭が財布に大量にあって財布が膨らんでいるとみっともないというか、逆に小銭が少ないと財布もスッキリしてスマートに見えなくもない。

 

 

 

さてここで、上の予想の裏を取ると「小銭が少なければ、そうでない場合に比べてお金がなくなるのが遅い」と言える。

 

しかし、小銭を出さないように買い物をするのは現金社会の日本では無理な話であるから、考えるべきことは、どうすれば財布の中の小銭の数を最小にできるか、ということである。

 

というのは、例えば財布に280円入っていて、その硬貨の内訳が

100円玉×2枚 50円玉×1枚 10円玉×3枚

のときが小銭の数が最小になる状態で、10円玉×8枚とかにはならない。

 

 

こうひとくちに言っても、常に小銭に気を配りながら財布を開くのはけっこう時間がかかることだし、なにより精神的にキツい。

 

それではここで、筆者わいあーるが常に実践している「そこそこ簡単に小銭の数を減らす方法」を書きたいと思う。実際僕の財布の中の小銭の数は、1人でいるときは常に最小である。

(だれかと一緒にいるときは、小銭のことなんか気にせずなるべく早く支払いを済ませる)

 

いきなりそれを書いても少々分かりづらいから、順を追って説明していこう。

 

以下では、いちいち◯◯円玉×△枚と書くのは面倒だから、例えば100*2のように

(金額)*(枚数)という表記を用いる。

 

 

 

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ブタの画像を貼ったが、特になんの意味もない。というかこれでは小銭が多すぎである。

 

 

 

・ステップ1

 

120円の買い物をしたとする。財布の中には100*2と10*2がある。

 

ここで単に100*2を出しても200-120=80で買い物は成立するが

 

220-120=100とすれば、財布の残りが100*1となる。前者の場合は10*10(50*1+10*5も考えられるが大差ないため説明が簡単な10*10にする)となる。

 

このような、端数を合わせて小銭を出すやり方はごくごく普通であると僕は思っているが、ここで少し特殊な考え方を導入したい。

 

前者の場合200-120=80で、10*8のお釣りが返ってくる。このお釣りと財布の中に残った10*2に着目して「10*2と10*8で10*10だからまとめて100*1にできる、じゃあここで最初に出した100*2と一緒に10*2も出せば100*1のお釣りが来るな」という考え方をしてほしい。

 

この考え方を便宜的に「お釣り読み」と呼ぶことにする。

 

ステップ1のような単純な例ではお釣り読みをするまでもなく220円を支払う人が大半であろう。しかしこれは、財布の中と支払い金額が複雑になったときに大きな威力を発揮する。

 

 

 

・ステップ2

 

270円の買い物をしたとする。財布の中には100*3と10*2がある。

 

ここで単に100*3を出しても300-270=30で買い物は成立するが

 

320-270=100とすれば、財布の残りが50*1となる。前者の場合は10*5となる。

 

これも、32-27=5(より簡単にすれば12-7=5)という事実に基づけば、あまり考えなくても320円を支払うことができるが、慣れる意味も含めてお釣り読みをしてみると

 

前者の場合300-270=30で、10*3のお釣りが返ってくる。このお釣りと財布の中に残った10*2に着目して「10*2と10*3で10*5だからまとめて50*1にできる、じゃあここで最初に出した100*3と一緒に10*2も出せば50*1のお釣りが来るな」となる。

 

 

だんだんとお釣り読みの概念にも慣れてきたであろうか。簡単な例をもう少しだけ見て、ステップ4で実践的な例を見てみる。

 

(ステップ2がほぼステップ1のコピペであることに気づいたみなさん、許してください)

 

 

 

 

・ステップ3

 

1,234円の買い物をしたとする。財布の中には1,000*2と500*1がある。

 

このとき、単に1,000*2を出しても2,000-1,234=766で買い物は成立するが

 

2,500-1,234=1,266とすれば

残りが1,000*1 100*2 50*1 10*1 5*1 1*1となる。

前者の場合は500*2 100*2 50*1 10*1 5*1 1*1となる。

 

これも、234の部分を500で賄ってお釣りを出せばいいじゃんというノリで割と容易に解決できる。お釣り読みをしたらどうなるかは各自で考えてみてほしい(書くのが面倒なだけですごめんなさい)。

 

少し記事の趣旨からは逸れるが、いまの例は、支払い方次第で小銭の数を減らし、なんとお札に変換することまでできてしまうという点で優れている。小銭とお札の重みは大きくちがう(と僕は思っている)。

 

さていよいよ、本格的なケースを考えてみる。

 

 

 

・ステップ4

 

19,440円の買い物をしたとする。

財布の中には10,000*2 100*3 50*1 10*3 1*4がある。

 

このとき、単に10,000*2を出しても20,000-19,440=560で買い物は成立するが

 

20,050-19,440=610とすれば

財布の残りが 500*1  100*4  10*4 1*4となる。

 

前者の場合は

お釣りで 500*1  50*1  10*1が来るから

残りは 500*1  100*3  50*2  10*1  1*4となる。

 

 

 

お分かりいただけただろうか。

 

いままでは単純化されたモデルを扱っていたからすぐに理解できたかもしれない。

しかし今回は今日僕が腕時計を買ったときの財布の中身と支払い方法をそのまま書いたので、少し実践的かつ複雑でついていけなさそうな気もするが、ここで例の「お釣り読み」を適用しよう。

(もしお釣り読みをする前に上の文章を理解しようとするときは、実際に小銭を使ってやってみると視覚化されて分かりやすいです)

 

  

上の文章の太字部分に着目してほしい。10,000*2を出した場合、560円のお釣りが上の太字部分のような内訳で来るから、 これを財布の中の50*1と照らし合わせて「あっじゃあここで50*1を出せばそれが100*1にまとまる」と考えられる。

そうすれば、上記のように財布の中に50*2がある状態を回避できる。

 

 

 

お釣り読みをしてもいまいち「ま、たしかにそうだねー(棒)」のようにしか思えないかもしれないが、これを知らずにいきなり20,050-19,440=610という式を思いつくことと比べてみれば、違いは一目瞭然である。

 

 

 

 

 

 

どこか物足りないので、これについて少し考察してみる。

 

まずこの例の分かりにくさの原因は、もともと財布に入ってる小銭の数が多いことにある。

 

たしかに最小の小銭の数であるのだが、それにしても小銭の数が多く、初見ではどの硬貨を選べばよいかの取捨選択の難易度が高い。

 

お釣り読みではその問題を「硬貨ごとに着目して、余っている硬貨だけを選ぶ」というように分担している。

 

 

 

次に、お釣り読みの最大の利点は、多くの人間は込み入った引き算が苦手であるという事実に基づいている。

 

というのは、この例において

 

・20,050-19,440という演算をして正確に答えを出す

・まず20,000-19,440という演算をしてその答えを財布の中身と照らし合わせる

 

という別々の作業を比べれば、2つの意味で後者のほうが圧倒的に簡単な作業だからである。

 

まず1つ目は純粋に「1万円札2枚で支払うことと、1万円札2枚に50円玉を加えて支払うこと、どっちが自然な発想であるか?」と問われれば分かる。いままでの経験からして、どう考えても1万円札2枚のほうが自然に思いつく払い方だろう。その自然な思いつきを修正して50円玉を後から加えるほうが簡単である。

 

2つ目は、20,050-19,440=610と20,000-19,440=560という演算を比べると、後者のほうがシンプルで計算ミスもしづらい。財布の中身を見て50円玉を後出しする行為は、上の「この例の分かりにくさの原因」の部分でも述べたように、分担して考えていることによって簡単なものとなっているから、前者の演算の負担に比べればちっぽけなものに見える。

 

たしかに言われてみれば

20,050と19,440を200&50と194&40に分解して200-194と50-40をすれば簡単だよ

というのも理解できるが、買い物中にそれを直感的に思いつく人なんているのだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

以上で、とりあえず書きたいことは十分詳しく説明して書いたつもりだが、ここ何言ってるか分かんねえよ!という声があれば、積極的にコメントしていただきたい。

 

たしかに少し複雑で、慣れるまで時間がかかるかもしれないが、いつでも「硬貨ごとに分担して考える」という意識を持てば、人を待たせずとも省エネな支払いができるようになるだろう。

 

しかもこれは対人での会計だけでなく、自動販売機や精算機のようなところでも使えるテクニックであるから、いろんな場面でぜひ積極的に利用してほしい。

 

 

 

 

 

と長々書きましたが、正直いちいちこんなこと考えるの面倒なので、日本も早くアメリカみたいにクレジットカード社会にならねえかなあ…と思ってます()