君の名は。からよく分かる「ギャップは最強」という事実
【注意!!!!】
この記事には、映画「君の名は。」のネタバレが入っています。けっこう致命的ですので、君の名は。をまだ見てないけど見てみたいという方は、そっとページを閉じて次の更新をお待ちください。
実は僕は、極めて熱い「君の名は。」ファンである。
映画館で4回、地上波やブルーレイで4回、合計8回はその映画を見ている、言うなれば引くほどのオタクである。
僕は東京に強いあこがれを持っている地方出身の田舎者であるので、作中の綺麗な東京(特に新宿、それに東京タワー方面の高層ビル群)の景色を見ては「本当の景色をずっと肉眼に収めていたい」と思う。
そしてなによりヒロインの三葉が非常にかわいい。
入れ替わった生活に翻弄される姿や、健気に東京へのあこがれを叫ぶシーンもあり、とても愛着がわきやすい、思わず好きになってしまうキャラクターである(個人的には上白石萌音さんの声も神だと思います)。
これ以外にも「君の名は。」の魅力を語り始めると1億字をゆうに超えるのでこのあたりでとどめておくとして、作中に次のようなシーンがある。
入れ替わっていない状態の瀧が、隕石によって半分以上が消滅した糸守町を訪れたとき、宮水神社の御神体に捧げられていた三葉の口噛み酒を飲む。
飲んだ後に足を滑らせた瀧は、三葉の過去(誕生から隕石の被害に遭って亡くなるまで)を走馬灯のように見る。
その中には、三葉の幼少時代として、妹の四葉が誕生して数年後に母が亡くなったこと、その心労もあってか、婿養子である父が祖母の一葉と神社の後継ぎを巡って口論し、絶縁に至ったことが描かれている。
このシーンをご覧になって、みなさんはどういう感情に至っただろうか?
あんなはつらつとしていた三葉の暗い過去を見て意外だった、お父さん婿養子なんだからおばあちゃんに従え、集落再生事業の継続!!!!!そのための町の財政の健全化!!!!ヒェァ!!!!!など様々な声が聞こえてくるが
僕は「三葉により近づきたい」という気持ちに至った(なにこの人気持ち悪い)。
先ほども出た「あんなはつらつとしていた三葉の暗い過去を見て意外だった」という声がそのまま僕の印象なのだが、そこを通過して「近づきたい」と思ったというか、三葉のことを「より」好きになったのである(なにこの人気持ち以下略)。
ここにどんな要素が隠れているかというと「三葉のギャップに萌えている」ということである。
これはこの映画に限らずリアルな世界でも起こりうることであるが、意中の人の暗い過去(両親の死別・離婚などいわゆる「複雑な事情」)をきいて、その人に親近感を抱いたというか「その人の暗い過去も合わせて受け止めてあげたい」「その人を守ってあげたい」という感情を抱いたことはないだろうか?
僕が本気で三葉のことを好きであるわけではなく(まあ現実世界にあんなのいたら僕の組紐も伸びて絡んで繋がっちゃいますけど)単に愛着が湧いているに過ぎないが、そういう人の暗い、人には見せたくない場面を見ると、どうしてかその人に対する愛着が深まる。
この例からよく分かるが、ギャップというのは最強のテクニックである。
普段クールな人が自分の前でだけ甘えてくれようものならもうそれは間違いないが、他にもいろいろな形でギャップというのは人を恋に落とすし、人の恋を加熱させる。
例えば、普段あまり口を開かず物静かで自己主張しない人が実はスポーツが大の得意であったとか、完全無欠で非の打ち所がない高嶺の花のような人が実は虫が苦手だったとか…
恋に落とす、とは言いすぎかもしれないが、確実に既にある恋心を勢いづける役割は担っているだろう。
しかしギャップ萌えというイベントを発生させるには、相手に悪い印象を抱かれていないことが絶対条件になる。
なぜならキモい人が自分の前だけ甘えてもキモいとしか思わないし、無口な陰キャがスポーツ万能でも「けど陰キャだから…」となるし、欠点はないけどそれでマウントを取ってくるやつが虫を見て騒いでいても「やかましいわお前にも殺虫剤かけたろか」となってしまうからである。
発生させる条件はやや厳しいが、それを乗り越えてギャップ萌えを上手く活用できるようになれば、恋に忙しくなる生活が来る可能性は極めて高いだろう。
ちなみに僕は三度の飯よりショートカットの人間ですので、三葉が髪を三つ編みにして上に持ってくのを見て毎回ガッツポーズしてますし、三葉がバッサリ髪を切ったときはもう僕のティアマト彗星もただひたすらに美しい眺めだった。
君の名は。の地上波放送が終わったので、すっかり恒例行事となった「カツセさんの偏差値が4くらいになってるツイート集」です。第8位から第5位。 pic.twitter.com/dPxRWJVbHU
— わいあーる (@YR_UTokyo) 2019年6月30日
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